Excelで条件分岐を作るとき、1つの条件だけならIF関数で十分ですが、実務では「AかつBならOK」「AまたはBなら対象」のように複数条件を組み合わせたい場面が多いですよね。そんなときは、IF関数の中にAND関数やOR関数を組み合わせるのが最短です。この記事では、まず使う式をすぐ確認できるようにしたうえで、入力手順、よくあるエラーの原因、仕事でそのまま使いやすい例まで分かりやすくまとめます。
まず結論:IF関数で複数条件を使う基本形
まずはこの2つを覚えれば大丈夫です。
- AND:すべての条件を満たしたときだけTRUEになります
- OR:どれか1つでも条件を満たせばTRUEになります
たとえば、点数が80点以上で、かつ出席率が90%以上なら合格としたい場合は次の式です。
=IF(AND(A2>=80,B2>=90%),"合格","不合格")
一方で、営業部または総務部なら対象としたい場合は次の式です。
=IF(OR(A2="営業部",A2="総務部"),"対象","対象外")
IF関数にANDを入れる手順
「複数条件をすべて満たしたら結果を返したい」ときはANDを使いましょう。よくあるのは、売上が一定以上で、なおかつ担当者が特定チームに所属している場合などですね。
- 結果を表示したいセルをクリックします
- =IF(AND(まで入力します
- 1つ目の条件を入力します。例:A2>=100
- カンマを入力します
- 2つ目の条件を入力します。例:B2="東京"
- ),"達成","未達")と続けて入力します
- Enterキーを押します
完成形はこうです。
=IF(AND(A2>=100,B2="東京"),"達成","未達")
この式なら、A2が100以上で、さらにB2が「東京」のときだけ「達成」と表示されます。どちらか一方でも満たしていなければ「未達」です。
AND関数の考え方
ANDは「全部クリアしたらOK」と覚えると分かりやすいです。チェックリストを全部通過した場合だけ結果を返したいときに向いています。
IF関数にORを入れる手順
「どれか1つでも条件に当てはまれば結果を返したい」ときはORを使います。部署の判定や、特定のコードに一致するかどうかの確認でよく使います。
- 結果を表示したいセルをクリックします
- =IF(OR(まで入力します
- 1つ目の条件を入力します。例:A2="営業部"
- カンマを入力します
- 2つ目の条件を入力します。例:A2="総務部"
- ),"対象","対象外")と続けて入力します
- Enterキーを押します
完成形はこちらです。
=IF(OR(A2="営業部",A2="総務部"),"対象","対象外")
この式では、A2が「営業部」または「総務部」のどちらかなら「対象」と表示されます。
OR関数の考え方
ORは「どれか1つでも当てはまればOK」です。候補が複数あるときに便利ですよ。
複数条件を3つ以上に増やす方法
ANDもORも、条件は2つだけでなく3つ以上入れられます。カンマで条件を追加していけばOKです。
たとえば、売上が100以上、利益率が20%以上、担当エリアが東京なら評価対象にする場合はこうなります。
=IF(AND(A2>=100,B2>=20%,C2="東京"),"評価対象","対象外")
また、商品コードがA001、A002、A003のどれかなら対象にする場合はこうです。
=IF(OR(A2="A001",A2="A002",A2="A003"),"対象","対象外")
条件が増えてきたら、まず日本語で「何を満たしたらどうしたいか」を整理してから式にするとミスしにくいです。
ANDとORを組み合わせる実務向けの使い方
実際の仕事では、ANDだけ、ORだけで終わらず、両方を組み合わせることも多いです。たとえば「営業部または総務部に所属していて、かつ勤続年数が3年以上なら対象」のような条件ですね。
その場合は次のように書けます。
=IF(AND(OR(A2="営業部",A2="総務部"),B2>=3),"対象","対象外")
ポイントは、内側のORで候補をまとめて、その外側でAND判定することです。かっこの対応がずれるとエラーになりやすいので、入力後に一度見直しましょう。
初心者でも迷いにくい入力のコツ
- 文字を条件にするときは、"営業部"のようにダブルクォーテーションで囲みます
- 数字を条件にするときは、通常はダブルクォーテーション不要です。例:A2>=80
- パーセントもそのまま使えます。例:B2>=90%
- 比較記号は半角で入力します。>、<、>=、<=、<>がよく使います
- 条件の区切りはカンマです
また、Excelの数式入力中に関数候補が出たら、Tabキーで確定すると少し時短になります。
うまくいかない場合のチェックポイント
式を入れたのにエラーが出る、思った結果にならないときは、次の点を確認してみてください。
#NAME? エラーが出る
- 関数名のスペルミスがないか確認します。IF、AND、ORはすべて半角英字です
- 文字列をダブルクォーテーションで囲んでいるか確認します
かっこが合わず入力できない
- IF(AND(条件1,条件2),結果1,結果2)の形になっているか確認します
- 開きかっこと閉じかっこの数が合っているか見直します
- 長い式は、まずANDやORだけ入力して動くか確認すると切り分けしやすいです
TRUEやFALSEが表示される
- AND関数やOR関数だけを単独で入力している可能性があります
- 結果を文字で返したいなら、IF関数で囲む必要があります
見た目は同じなのに一致しない
- セルに余計なスペースが入っていないか確認します
- 全角と半角が混ざっていないか確認します
- 数値が文字列として保存されていないか確認します
コピーしたら判定がずれる
- 相対参照のままコピーしていると、参照セルがずれます
- 固定したいセルがあるなら、$A$2のように絶対参照を使いましょう
- 数式入力中にF4キーを押すと、参照形式を切り替えられます
すぐ使える実務例3パターン
1. 点数と出席率で合否判定
=IF(AND(A2>=80,B2>=90%),"合格","不合格")
試験管理や研修受講の判定に使いやすい形です。
2. 複数部署をまとめて対象にする
=IF(OR(A2="営業部",A2="総務部",A2="経理部"),"対象","対象外")
案内メールの送付対象や集計対象の判定で便利です。
3. 複合条件で支給対象を判定する
=IF(AND(OR(A2="正社員",A2="契約社員"),B2>=1),"支給対象","対象外")
雇用区分と勤続年数を組み合わせるような管理表で使えます。
最後に:一緒に覚えておくと便利な時短ワザ
IF関数の複数条件とあわせて、次の小ワザも覚えておくと作業がかなり楽になります。
- F4キー:セル参照を絶対参照に切り替えられます
- Ctrl + C / Ctrl + V:数式のコピーと貼り付けがすばやくできます
- オートフィル:セル右下の小さい四角をドラッグして数式を一気にコピーできます
- 数式タブの「関数の挿入」:関数が苦手でも、画面を見ながら入力しやすいです
ExcelのIF関数で複数条件を扱うときは、全部満たすならAND、どれか1つならORと覚えておけば迷いにくいです。まずは短い式から試して、動いたら条件を1つずつ増やしていきましょう。仕事中に式で止まりやすいポイントもこの記事にまとめたので、エラーが出たときはチェックポイントから確認してみてくださいね。
